7月の法語

7月の法語

「私どもの生活は恩を受くる生活であると同時に恩に報ゆる生活である」

金子みすゞの「おさかな」という詩を解説したら、ある人が、もうこれから魚が食べられなくなってしまう、と怒った。魚を食べるのに、いちいち遠慮しなければならないのか、という不満であろう。だが、そこにともに悲しむ世界があってもいいのではないか。

食べられる魚もかわいそうだが、食べねば生きられない人間も悲しい存在だと。
その共に悲しむ中から、共に許し合う世界が生まれる。慈悲を基とする仏の世界とは、許し合う世界である。許してやるのではない。許してもらっている事実に基づいた許しである。

その許してもらっている事実を「恩」という。「恩」という字は「因」に「心」と書く。今、私がここにあるという事実は、いのちを奪うことを許してくれる「因」によって成り立っている。それを知る心を「恩」というのである。この「恩」を受けている事実を深く知れば知るほど、恩知らずの自分に気付く。恩知らずに恩返しはできない。恩を返さない私が、その事実に頭を垂れ、お念仏をいただくところに、恩に報いる道が開かれる。
出典 『大悲のまこと』田中教照 より

 

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